これからWordPressのブロックテーマとクラシックテーマはどうなっていくのだろうか(持論)

WordPress 5.8 へのアップデートから、FSE(Full Site Editing/フルサイト編集)で活用されるであろうブロックたちが追加されました。

  • サイトロゴブロック
  • サイトのキャッチフレーズブロック
  • サイトタイトルブロック

といったブロックがブロック一覧のデザインカテゴリーなどに追加されています。これらを配置することで実際にサイトロゴやサイトタイトルを任意の場所に自由に表示することができます。

それらのブロックを活用してウェブサイトのレイアウトなどを自由にユーザーが変更することができるような形を、今後 WordPress は提供される予定となっており、今後準備が進んでいきます。

現在(当記事執筆時)の最新バージョンが 5.8 ですが、5.9 や 6.0 などのタイミングでもっとできることが増えていくことは間違いありません。

ここでは、今後 WordPress を活用した制作フローにおいて、

  • フルサイト編集に対応したテーマ(ブロックテーマと呼びます)はどうなっていくのだろうか?
  • これまでの作り方で作られたテーマ(クラシックテーマと呼びます)は存続し続けるのだろうか?

といった点について、僕の勝手な持論をご紹介したいと思います。

本記事に掲載している内容は、執筆者本人が収集している情報をもとに勝手に推測している内容となりますので、将来的に実際そうなるかどうかという保証は全くないものとなります。あらかじめご了承の上、お読みいただけますと幸いです。

フルサイト編集(ブロックテーマ)は一般化するのかどうか

現在、僕自身暇を見つけて開発段階のブロックテーマを触りながらさまざまな可能性を探っています。

こちらを作りながら触りながら色々と妄想したりしているのですが、今後どのような発展をしていくかどうかわかりませんが、現時点での感想は「ブロックテーマとして特色を出していく方法が見つけられていない」というものになります。

ご存知の方も見えるかもしれませんが、ブロックテーマはサイトエディター(Gutenbergプラグインより提供されているベータ版機能)を利用することで、サイトのレイアウトをカスタマイズすることができます。

どの程度・何をできるようにするといったコントロールは、テーマ側である程度管理することもできそうですが、今までのクラシックテーマを使ってきた感覚の中での「テーマで定められること」の感覚は間違いなく変える必要があるでしょう。

(現時点で得られている情報で考えると)僕のブロックテーマの一番のメリットは、世界中で公開されるブロックパターンを管理画面からカルーセル表示のように閲覧しながら、レイアウトを選択してページを作っていくことができるようになることと思っています。


現在、こちらで公開されているものは WordPress 公式が制作し登録・提供しているパターンばかりですが、今後こちらはテーマやプラグインと同じように一般ユーザーも申請・登録を行うことができるようになります。

そこに登録されたパターンをカルーセル表示でレイアウトを選べるようになる未来が描かれています。

この未来は個人的にとても楽しみにしていて、誰もが申請・登録できる流れも、それらをユーザーが簡単に管理画面で選択して利用できる流れも、どちらも素敵だなと感じています。


そして、こういう「管理画面での自由なサイト編集」が許されるブロックテーマなので、テーマとしてどのようなスタイリングを持たせるか、許容するか、制限するかといった部分がまだまだ見えていない(僕だけかもしれませんが)部分がとても多いです。

そして、その流れの先には、もしかしたら「テーマはシンプルかつプレーンなもので良い。それをユーザーが自由にカスタマイズする。」といった未来があるのかもしれません。

そうなった場合には、現在汎用テーマを開発・配布・販売されている開発者の皆さんは、多くの選択肢を目にすることになるかもしれません。そこにアドバンテージを感じるかどうかも人それぞれとなるでしょうね。

クラシックテーマは生き続けるのだろうか

僕も含めて WordPress を使ったウェブサイト制作をする上で「テーマ開発」と呼ばれ作られてきたテーマ(=フルサイト編集には対応していないテーマ)のことを総称としてクラシックテーマと呼ぶようになりました。

さて、このクラシックテーマと呼ばれる形ですが、ブロックテーマが一般でも利用できるようになった時代ではどうなるのでしょうか。

個人的な見立てとしては、「無くなることはない。この形のテーマが利用できなくなる未来はまだ全く見えていない」と考えています。

WordPress はとても幅広いざまざまな層のユーザーに使われています。個人ユーザーとしてブログを運営している人から、とんでもないアクセス数を誇る企業メディアサイトとして使われている場合もあります。

主に僕たち Web 制作者のお仕事的に言うと、受託でのテーマ開発というのが主軸となる方々も多くお見えになるでしょう。

そして、そういった大規模なウェブサイトになればなるほど、カスタマイズが細分化し、それらも含めたマネージメントを行う観点からも、全てを WordPress 管理画面で行えるというだけでは済まない部分も多くあるでしょう。(コードベースで管理したいというケースなど)

ですので、こういった「コードで実現・管理したい部分」を多く含む案件(主に受託制作など)はクラシックテーマで対応していくという形は、まだまだ長い将来続いていくと考えています。


しかし、いずれ集約される未来があるかもしれません。それは現時点では誰にもわかりません。

ですので、(これまでもそうですが)今後クラシックテーマを制作して納品されるようなお仕事をされる方は、以下の点に注意して進められると良いでしょう。

これらは今後も注視・注意しながら制作を進められると良いかと思います。

まとめ

簡単ではありますが、ブロックテーマとクラシックテーマのこれからについて、完全なる個人の持論レベルではありますが書いてみました。

どちらのテーマ形式にせよ、まだまだ変化や発展が続くことは間違いない WordPress ですので、WordPress を活用させていただく制作者・開発者の一人として、今後も動向を確認しながら WordPress を楽しんでいければと考えています。

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