10のコーポレートサイトデザインを見比べても重要なことがわかる「写真」という要素

みなさん、既にご存知だとは思いますが、ウェブサイトを作る際に画像を利用しないということはほぼありません。

何かしらの画像を利用することが多いです。ヘッダー部分、メイン部分やブログのアイキャッチ画像、フッターに掲載する会社外観写真など、使わないことはほとんどありません。

しかし、実際の制作では(特にクライアントさんと直接やりとりすることが多いフリーランスでは?)クライアントさんが画像素材を持ち合わせていないといった場合は、適当に見繕ってと言われることも少なくないでしょう。

確かにインターネットの世界では画像素材を探すのに苦労はしません。無償・有償問わず多くの画像素材を入手することは大変なことではなくなったからです。クライアントさんも同じようにインターネットを利用されて画像などを検索されたことがある方も多いでしょう。その流れで「適当になんとかなるでしょう」と思われている方も少なくありません。

しかし、ここで考えていただきたいことがあります。「御社は他にありますか?」ということです。

世間に流用されている画像素材(無償・有償問わず)でクライアントのビジネスを100%表現することができるでしょうか?言葉は悪いですが、そんな他人の画像素材を多く利用するようなサイトのビジネスは、すぐに淘汰されてしまうでしょう。

特にメインとなるビジュアル画像は閲覧者に大きく響く可能性があるパーツになります。そのイメージが言葉よりも先行して閲覧者に届く可能性は大変高いです。

そういった視点を大切にしてもらうために、今回は大手企業様ではありますが、数多くのウェブサイトのファーストビュー(ページを開いたら最初に目に入ってくる部分)部分を数社通して比較してみて、どのようなイメージ画像を利用しているのか、どのようなメッセージを持たせる意図でそのビジュアルを使用しているのかと考えてみましょう。

JAL企業サイト

JALの企業サイトのメインビジュアルには、コマ送り・早送りのムービーが採用されています。

こちらは企業サイトですので、当然「企業」に興味があるユーザーのアクセスが考えられます。そういったターゲットの中には就職活動を行なっている方も多くみえるという観点もあるのか、日々の業務が分かりやすく一目で伝わるようなムービーということで、「コマ送り」で目を引きつけ「早送り」で時間をかけずに認知してもらう、という流れを作っているように考えられます。

井村屋フーズ

井村屋フーズでは、メインビジュアルにスライドショーを利用しています。

掲載されている画像を見ると、まず最初に表示されるスライドには、閲覧者に知ってほしい情報を持ってきています。今回は「会社の合併」をしっかりと伝えるようにしています。

また、実際の業務風景写真をスライドに盛り込むことによって、社内の雰囲気がよく伝わり、透明性のある企業というイメージを自然と与えることにも繋がっていると考えられます。

森永製菓

森永製菓といえば、言わずと知れた老舗お菓子メーカーです。

最新では、お菓子の種類も多くなり、外国から輸入されるものも多く市場は飽和状態ではないでしょうか。

そんな中、メインビジュアルでは、「老舗」というポイントを代表的なお菓子のビジュアルと一緒にアピールし、それと同時に「安心感」も与えてくれるような、そんなビジュアルになっています。

飛鳥交通グループ

タクシー料金の初乗り運賃の値上げニュースというのは、毎度大きく取り扱われることが多いせいか、タクシー業界への新しい人材(求職者)も含めて、人員確保も簡単ではないのかもしれません。

その影響もあるのか、ファーストビューを見て印象に残るのは、「ドライバーになろうとする方へのメッセージ」が強く感じられます。ファーストビューにも求職者へのアクセスを促すバナーやボタンが複数見受けられ、企業サイトへ訪れた求職者を逃したくないという意図が感じられます。

また、メインビジュアルのスライダー内に訴えたいメッセージコンテンツを常設するというスタイルは、とても面白いなと感じました。

アイスペース

一目でターゲットは若い女性ということがよくわかるデザインになっています。また、メインビジュアルも画像素材だけでなく、そこにグラフィックデザインの要素も織りまぜることで、アーティスティックでナチュラルな印象を受けます。

コンタクトの導入や購入を検討している方が見る場合も多いのでしょう。ファーストビューの下部には「キャンペーン情報」の存在をしっかりと見せることによって、スクロールして情報を見てもらえうように導線を考えて作られています。

JAながの

「JAながの」と聞くだけで、ある程度掲載内容は把握できるくらい強烈な情報を「JA」部分が持っていますが、ここでは「ながの」の部分をしっかりとメインビジュアルでスライドショーを織り交ぜながら紹介しています。

自然の風景から、農作物を作っている田畑の様子などをスライドショーにて紹介することによって、「農作物」や「JA」、「ながの」の魅力をアピールしようという狙いが感じられます。

「JAながの農産物情報」というタイトルがスクロールを誘い、下位コンテンツも見てもらえるようにと導線を作っている点にも注目です。

亀田産業株式会社

こちらのサイトは、ウェブサイトのロード画面にも注目を集めることも大切にしているようです。

ウェブページを読み込んでいる間に表示されるロード画面もとても特徴を出して作られています。メインビジュアルにはスライドショー機能を採用して、会社外観や作業風景の様子、企業として推進するコンセプトなどを前面に押し出したメッセージ性を持たせています。

株式会社ビューティ花壇

お花に関係する企業ということが一目でわかるメインビジュアルです。

スライドショーの下には、取り扱う事業を紹介するページを掲載しています。こちらもビジュアルを用いてイメージと簡単なタイトルで認知してもらおうという流れを感じます。

株式会社リアリット

IT企業ということで、爽やかなイメージと共に企業が伝えたいメッセージを大きなタイポグラフィとビジュアルでアピールしています。

また、そこに徐々に吸い込まれるようなアニメーション機能を追加している点も工夫が見られます。画像切り替え時のフェードイン・アウトのスピードもストレスないタイミングで良いですね。

ヤマト運輸

先日から、色々とニュースに取り上げられることが多かったヤマト運輸ですが、ウェブサイトではメインビジュアルでメッセージを配信しています。

フェードイン・アウトのスライドショーでは、まず最初に企業からの大事なお知らせを打ち出すようにしています。そして、その後にはヤマト運輸が運営しているサービスの紹介に続きます。

シンプルなアイコンやイラストに加えて大きなタイポグラフィで確実にメッセージを届けようとしている点からも、新しいデザインテイストを取り入れつつも、ターゲット層を狭めない(若者だけではなく幅広い年齢層)配慮がされていることが感じられます。

まとめ

10のウェブサイトを実際にキャプチャを紹介しながらコメントさせていただきましたが、どのサイトもメインビジュアルを大きく設置し、方法は様々ではありますが、独自に考えた方法で色々なメッセージを訴求していることがよくわかっていただけるかと思います。

「うちはこんな大きな会社じゃないし、そこまでしなくても…」と言われることもあるでしょう。しかし、競合ではないからといって、わざわざ手抜きして競合にチャンスを与える必要はありません。

また、大きな会社だからオリジナルの画像素材を用意できる、というわけでもありません。

当方でもそうですが、クライアントさんにビジュアルの大切さを理解していただければ、しっかりと予算をいただいて写真撮影を当方で行うことも可能です。

ぜひ、メインビジュアルを軽く考えずに、オリジナルなものを採用することも検討していただければと思います。

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