先日、複数店の美容室を経営している昔からの友人と話をしていた実際の内容です。これからの事業ホームページのあり方の1つなのかなと思い、皆さんとも共有しようと思い記事にします。
前提として、現在彼の事業におけるホームページは、
- 複数店舗の美容室
- ホームページは1つ(の中に各美容室コンテンツが入っている感じ)
- 元従業員の知り合いに作ってもらった
- 管理メンテナンス契約はしていない(切れている)
- 現状「活用できている」とは言えない状況
こんな感じの状況です。
現状の課題・問題点
現状、明確な問題点は以下の通りです。
- 利用者が自身の管理するホームページ(WordPress)の構造を理解していない
- 利用者がコンテンツを自分で作って編集できない
- クラシックエディタをベースに作られている
順にご紹介していきます。
利用者が自身のホームページ(WordPress)の構造を理解していない
これは2つの問題点があるとか考えています。
1つ目は、途中まで運営をフォローしていた制作会社さん。こちらが引き離れる際に、もう少し一人歩きできる程度まで情報提供もしくはレクチャーなどをしてあげないと、最終的にはお客さんが困ってしまうのではないかと思います。
ただ、これに関しては、それに対する費用を当然得ないとバリューも得られませんので一概に問題として考えることはできないかもしれません。ただ、いつか手離れするという前提でお客さんを育てる流れを当初から提案して採用してもらっておくべきだったとは思います。
2つ目は、利用者自身の問題。現在のホームページが出来上がった流れとしては、元従業員の知り合いが勤務している制作会社に依頼をし、窓口も元従業員に任せきりで管理する人間が制作過程にジョインできていないのが問題です。
これによって、どのように自分たちのホームページができているのか、構造がどうなっているのかといった、基本的な仕様の部分すら理解していないという点が問題と言えるでしょう。
利用者がコンテンツを自分で作って編集できない
上の2点目の問題にも関係してくるとことではあるのですが、利用者(お店経営者)が自分でコンテンツを思い通りに作れる仕組みになっていない点はとても辛いです。
何故ならば、何かしらキャンペーンなり新しい商品なりを紹介するためのページを作りたいと考えても、ちょっとしたページを作るだけで制作会社に依頼をしないといけない。
相談して、見積もりを出してもらって、決済をして…と、スピード感をもってアイデアを形にすることは難しいです。そういったことがビジネスチャンスを逃すことに繋がってしますので、お客さんのメリットにはなりません。
考え方によっては、制作会社側から考えると、そういうフローをあえて作って依頼を増やすという考え方もなくもないと思います。しかし、これからの時代、そこでマネーポイントを作っていても顧客満足度は上がってこないと思いますので、違う形でクライアントにハッピーになってもらわないといけません。
そういう観点から考えると、お客さんにしっかりとホームページの管理方法をレクチャーして自立できるよう支えながら、マーケティングなどの側面からフォローしていったりする形の方がこれからのような気がします。
クラシックエディタベースで作られている
これが一番ネックです。というのは、クラシックエディタ(旧編集画面)は将来的には必ずなくなります。ですので、新規で作成するホームページにおいて、ブロックエディタ (俗に言われるGutenberg)に完全対応していないのは痛恨の極みでしょう。
何か明確な理由がない限りブロックエディタをしっかりと活用できるようにするべきですし、それらを活用できるようにお客さんをトレーニングしてあげる必要があると思います。(未来永劫、管理を外注であれば必要ありませんが)
僕が提案(というかオススメ)した内容
上記のような状況ですので、現状不便だとしても、再度リニューアルという予算はすぐに工面することは難しいでしょう。それを踏まえて提案したのが以下のような内容でした。
WordPressの基本仕様に立ち返る
まずは、WordPressの基本的な機能と仕様を重視した設計に見直すことを提案しました。
WordPressには、投稿・固定ページという2つの大きな投稿タイプがあり、投稿にはカテゴリー・タグという分類を作る機能が標準で付けられています。
確かに、カスタム投稿タイプで投稿タイプを好きなように作ることができますし、カスタムタクソノミーでカテゴリーやタグのようなものも簡単に増やすことができます。
しかし、そういった要素が増えることは、管理コストを増やすことになります。便利・簡単にはなるけど、管理や改変・修正は大変になる部分もあるということです。
であれば、まずは基本的な仕様の枠内で工夫をし、実現できるかどうかをしっかりと吟味する必要があります。不便があったらすぐ盲目的にカスタム投稿タイプやタクソノミーを追加するというのは危険です。
メンテナンスコストを下げるために優秀なテーマを採用する
WordPressに限らず、何かしらの仕組みをホームページに導入して、独自のデザインを制作し、実際に形にするという流れで、ホームページを制作することはよくあります。
納品された状態が現在のベストかもしれませんが、今後のベストとは限りません。運用がスタート(=納品され実際にホームページを更新スタートする)した後も、少しずつ手直しをしたり検証したりと、メンテナンスを重ねるのがホームページ運営においては基本です。
その際のメンテナンス対応部分に「ホームページ全体を含む」のか「ホームページのコンテンツ部分だけ」なのかによって、メンテナンスに発生する費用も大きく変わってきます。
信頼できるWordPressテーマを採用することで、テーマ部分に関わる部分を任せることができます。その代わり、コンテンツ制作部分に重きを置いてホームページ運営に集中できるという考え方です。
当然、メリットばかりではありません。テーマ部分にカスタマイズを加える(子テーマなど利用して)場合には、程度を考えないとメンテナンスされているテーマを使っている意味がなくなる可能性もあります。
どこにどれだけの自由度を持ちたいのかにもよるとは思いますが、一つの選択肢として考えられるでしょう。
しっかりと利用・活用方法の基本をレクチャーする
ホームページの管理・運営をお客さんが担う場合によく行われるのが「マニュアル作成」です。しかし、このマニュアルというものが場合によっては「制作者サイドからの視点で作成されたマニュアル」であることがあります。
そのようなものだと、お客さんが読み解いたり理解するのに時間がかかります。かかり過ぎると、お客さんは諦めてしまいます。それでは良い結果をうみません。
マニュアル作成も1つの方法ではあるのですが、それと並行して「お客さんへの操作方法レクチャー」も予算計上して実施するべきでしょう。特に個人で運営される場合には、施しておくべきでしょう。
そうすることで、お客さんの満足度も上がりますし、なによりもお客さんが「ホームページを運営できる」ようになれれば、もっと違った部分(マーケティングや企画、デザインなど)でお客さんをサポートできることにも繋がるでしょう。
まとめ
実際には、提案した内容でもコストはかかります。しかし、それらを見据えて永続的な運営をイメージできるかどうかが鍵になるかと思います。
リニューアルスパンが決まっているのであれば、予算も出てくるでしょうし多少の使いにくさも「次まで我慢すれば良いか」と考えることもできるでしょうが、そんなことは稀でしょう。
今後、ホームページやブログの制作依頼をされる方は特に、不明な点を残さず、利用方法をしっかりと理解するところまでを、運営開始までに進めておきたいところですね。