Olein Design がロゴを作る過程

先日、こちらのサイトをリニューアルして公開しました。TwitterとFacebookページにて皆さんにはお知らせさせていただきましたが、大変多くの反響をいただけました。改めまして、当サイトを見ていただきありがとうございます。

今日はちょうど先日業務でも行っていました「ロゴ・マークの作り方」を、私流ではありますがご紹介してみようと思います。こういったことは、なかなか同じような業種でもない限り知られることも少ないかと思います。また、人によって作り方も様々ではあると思いますので、こういう人もいるんだな、という程度で見ていただければありがたいです。

情報共有

ロゴ・マークというのは、その企業・団体・チームなどを象徴するものになります。ですので、まずはクライアント(ロゴをつくて欲しいという方)からいろいろな情報を得なければなりません。

その方法は様々です。最近、よく目にするクラウドソーシング系で受注すればメールやシステム内でのメッセージでの情報交換がメインになるかもしれません。遠隔地同士であればスカイプなどの通信ソフトを利用することも多いです。そして、実際にお会いしてお話を伺える場合はそのようにしています。

実体験としては、やはりメール(文面)よりも通話(音声)、通話よりもビデオ通話(顔を合わせて)、ビデオ通話よりも実際にお会いして情報共有する方が、効率という面でも認識の違いが発生する可能性という面でも良いと考えています。

情報共有の際には、このようなことをまずしっかりとお尋ねします。

  • なぜロゴを作るのか(理由)
  • どのような活動をしているのか(趣旨)
  • 社会に対してどのようにアピールしていきたいか(主張)
  • イメージしているものはすでに持っているか(イメージ概要)
  • 商標登録するかどうか

なぜロゴを作るのか

まず最初に理由をお聞きします。その理由によっては、ロゴを作る必要がない場合もあります。例えば、既存のロゴがすでにあってリニューアルしたい、という場合、既存のロゴのイメージ戦略の結果次第では継承していくことも視野に考えるべきでしょう。ですので、まずはクライアントがなぜロゴを作り直したいと考えているのか、をしっかりと理解する必要があります。

どのような活動をしているのか(趣旨)

そして、クライアントの団体がどのような活動をしているのかをしっかり知っておく必要があります。ロゴもマークもそうですが、まずはイメージで捉えられるものです。ですので、クライアントの活動内容にそぐわないイメージで作るわけにはいきません。極端な話、野球チームにサッカーボールを使ったマークは使えませんよね。簡単に言うとそういうことです。クライアントにあったものを提案するためには、しっかりと活動内容を理解しておく必要があります。

社会に対してどのようにアピールしていきたいか(主張)

次に、クライアント自身の意向として、ロゴを通して社会にどのようにアピールしていきたいと考えているかを確認しておきます。

前項目にて伺った内容の中から、クライアントにとってのアピールしたいポイントはどういう部分かを確認します。アピールしたいポイントの共有がしっかりとできていないと、いつまでたっても双方納得するものを作ることはできないでしょう。両者どちらかが妥協するようなものは完成とは言えません。この点もしっかりと情報共有しておく必要があります。

イメージしているものはすでに持っているか(イメージ概要)

現時点でクライアントがどのような完成イメージを持っているのかを確認しておきます。しかし、クライアントが思っているものを作るために聞くのではありません。どうしても必要な場合は、クライアントが考えているイメージを壊していく作業も必要になる場合もあります。

商標登録するかどうか

ただ単にマークとして、ロゴとして使うだけであれば、さほど権利等で問題になることはないでしょう(しっかりと商用利用可のデータを使うこと)。しかし、登録するとなるとそれとは別に権利等に触れることもありますので、しっかりと使用用途を確認して、それ用に制作しなければなりません。

アイデアを出す

アイデアを出す部分には色々な方法があります。ブレーン・ストーミングもその一つですし、他にもたくさんの方法論が存在します。しかし、自分が一番慣れている方法でいいのではないかなと考えています。

私の場合は、まず文字としてキーワードを上げていきます。作ろうとしているロゴに関する全てのキーワードを、クライアントから得た情報を元に出せるだけ出します。それこそノートに何ページかにはなりますし、付箋で行うと壁が埋まる場合もあります。

その後、それらのキーワードをグループごとに分けていきます。まぁ、ブレストですよね。この時点で多くもなく少なくもないグループにまとめます。このグループの数が後に作られるイメージの数につながっていきます。

サムネイルを描く

イメージの方向性がある程度導き出せたら、次はどんどん手を動かしてサムネイルを書いていきます。

人にも寄るかもしれませんが、僕はサムネイルの数を稼がないと作れないタイプのようです。例えば10通りのイメージでロゴ案を提出したい場合だと、サムネイルは少なくとも5倍は必要になります。

「遠回りしてるねー」と思われるかもしれませんが、僕にとってはこれが近道なのです。ボツ案も含めて、より多くのサムネイルを描く=頭に描いたイメージを明示化するという作業なのです。この作業を行わずして適当に作ったロゴは本当にひどいです。

清書する

サムネイルがある程度固まったら、そのグループごとに清書して数個にアイデアを絞ります。そして、なるべく具体的なイメージへと作り上げておきます。

清書するんだから、それでほぼ完成という訳ではありません。1つのイメージ系統に数個のイメージを用意するようにしています。この時点でもなるべく固めてしまわないように意識するようにしています。

データとして起こす

清書してある程度のイメージに固まったあとにPC/Macの作業に入ります。ここまではイラレ/フォトショは起動すらしていません。

データとして起こしていくわけですが、イメージによってはスキャナで取り込んだ後トレースすることもありますし、簡単なものであればそのまま作って調節する場合もあります。

ここまで来るとイメージはある程度洗練されてきているので、オペレーション作業という感じでスピード感をもって行います。ここで考える作業はしないようにも意識しています。いつでもどれだけでも迷うことは出来ます。迷う作業は前述した部分で済ませておきましょう。

最近では、イラレが使えればロゴが作れるとか、フォトショが使えるからWebデザインができるとか、そういうことを恥ずかしくも簡単に言う人が多くなってきました。自分で言うのは簡単なので、それはそれでいいと思いますが、作るものは“それなり”のものです。天才でなければほぼそうなるでしょう。そして、この部分で考え悩む人がとても多いようです。

案を提示する

データとして制作したものを、出力またはPDFにて先方に提出しプレゼンテーションします。

ここで僕が心がけているのは、どうしてこのようなデザインになったのかをクライアントにしっかりと伝えるようにしています。そういう部分も理解していただいた上でいただくフィードバックを重ねてブラッシュアップしていくことで、同じ方向を向いて制作していけると考えています。

「何案提出するのか」と聞かれることもありますが、基本的には3案以上提出するようにしています。あとは予算によってとなります。ここまでお読みいただいて、ある程度必要な時間や工数も理解していただけると思います。実際に提出案数が増えるほど、必要となる時間も比例するので、どうしても予算次第となってしまいます。

あえて言うなら、クラウドソーシングでの「ロゴ2万円!」とかいうものに参加しない/できないのは、この手法を取れるだけの予算がないのが理由です。金額的に良くても5万円ほどでしょうか。それでもコンペですので採用されるかどうかは提出してみなくてはわかりません。ここまでで分かって頂けるとは思いますが、かなりリスキーですし、そんな即興で作ったようなロゴがそれほど長く続くとも思えません。近い将来、飽きが来るのではないでしょうか。(個人的な考えです)

ブラッシュアップ

上でも触れましたが、クライアントに案を見てもらいフィードバックを頂きます。

ここでも一方的にフィードバックをもらうのではなく、建設的なフィードバックにするための意見交換を忘れないように心がけています。

クライアントの好き嫌いもありますが、それよりも良いものを提供することの方が大切です。クライアントが気に入ったもの=良い物(結果が出るもの)ではありません。最終的に投げたくなる場合もそれはあります。ないとは言えません。「もう、気に入ったもので検収してよ」という気持ちもわかります。が、なるべくそのような状況に至らないように、いい関係を築いて歩いて行きたいものです。

まとめ

ザックリとではありますが、Olein Designとしてロゴ・マークを制作する手順をご紹介しました。全く違う業界にみえる方々には新鮮に映るかもしれません。しかし、みなさんがこの通りではありませんし、自分に一番の方法を持ってみえると思います。「私はこうしてるよー」などのご意見も伺えると楽しいなと思います。

「ロゴ、適当に作ってくれない?」とか「ロゴ2万円でお願いします」なんていうお話もよくありますが、それが難しいということも少し分かって頂けるかと思います。

皆さんのビジネスに最適なロゴ・マークに辿り着けますように。