ホームページの相談をいただくときに、最初の段階でよく出てくるのが「うちのサイトが WordPress なのかどうか、実はよく分からないんです」というお話です。
これは、決して珍しいことではありません。
制作を依頼したのが何年も前だったり、担当者が変わっていたり、サーバーやドメインの契約情報が社内のどこかに散らばっていたりすると、サイトの仕組みを正確に把握するのは意外と難しいものです。
この記事では、自分のホームページが WordPress で作られているかを確認する方法と、そのあとに整理しておきたい管理情報についてまとめます。
専門的な調査をしないと分からないこともありますが、まずは手元で確認できる範囲から見ていくだけでも、相談や引き継ぎはかなり進めやすくなります。
読み終えたときに、「自分のサイトについて、ここまでは分かっている」「ここから先は確認が必要」と分けて説明できる状態を目指します。完璧に調べ切ることよりも、まずは状況を整理することを大切にしてみてください。
まず確認したいのは「WordPress かどうか」だけではありません
最初に少しだけ前提を整理しておきます。
「ホームページが WordPress かどうか」は大事な情報です。ただ、それだけ分かれば十分かというと、実務上はもう少し確認したいことがあります。
たとえば、次のような情報です。
- WordPress の管理画面に入れる人は誰か
- サーバーを契約しているのは誰か
- ドメインを管理しているのは誰か
- 制作会社や保守会社との契約が残っているか
- ログイン情報や契約情報が社内に保管されているか
WordPress で作られていることが分かっても、管理画面に入れなければ更新はできません。管理画面に入れても、サーバーやドメインの契約情報が分からなければ、トラブル時の対応に困る場合があります。
なので、この記事では「WordPress かどうかを確認する方法」から始めつつ、最終的には「自分たちのサイトを誰が、どこまで管理しているのか」を整理するところまで扱います。
まずは簡単な確認から始める
WordPress かどうかを調べる方法はいくつかあります。
ただし、最初から難しい調査をする必要はありません。まずは、次の順番で確認してみると良いです。
- 管理画面の URL にアクセスしてみる
- ページの URL や画像の URL に手がかりがないか見る
- ページソースを確認する
- 外部ツールやブラウザ拡張機能で参考情報を見る
1つ目、2つ目で分かれば、いったんそれで十分です。分からなければ次へ進む、くらいの気持ちで見ていきましょう。
方法1:管理画面の URL にアクセスしてみる
WordPress では、多くの場合、次のような URL から管理画面にアクセスします。
https://example.com/wp-admin/
https://example.com/wp-login.php
example.com の部分を、自分のホームページのドメインに置き換えてアクセスしてみてください。
WordPress 公式ドキュメントでも、ログインページはドメイン名の後ろに wp-admin を付けてアクセスする例が紹介されています。また、WordPress のログインページは通常 wp-login.php にあります。
ただし、ここで注意したいのは「表示されないから WordPress ではない」とは限らないことです。
セキュリティ対策や制作会社の設定によって、管理画面の URL が変更されている場合があります。また、特定の IP アドレスからしか管理画面に入れないようにしているケースもあります。
そのため、/wp-admin/ や /wp-login.php にアクセスしてログイン画面が表示されれば WordPress の可能性は高いですが、表示されなかった場合でも、それだけで判断しきらない方が良いです。
方法2:ページの見た目や URL から手がかりを探す
次に、ホームページ上に WordPress らしい手がかりがないかを確認してみます。
たとえば、ブログ記事やお知らせの URL に、次のような形が含まれていることがあります。
/category/
/tag/
/author/
/wp-content/
特に wp-content という文字が画像やファイルの URL に含まれている場合は、WordPress で作られている可能性があります。WordPress では、テーマ、プラグイン、アップロード画像などが wp-content という場所に置かれることが多いためです。
とはいえ、これも絶対ではありません。
制作方法によっては、WordPress を使っていても表からは分かりにくい場合があります。逆に、過去に WordPress を使っていた名残として、画像 URL だけにそれらしい文字が残っていることもあり得ます。
ここでは「確定」ではなく「手がかりを集める」くらいの感覚で見ておくのが良いと思います。
方法3:ブラウザのページソースを確認する
少しだけ踏み込んだ確認方法として、ブラウザの「ページのソースを表示」を使う方法があります。
Chrome や Safari などのブラウザでは、ページ上で右クリックして「ページのソースを表示」のような項目を選ぶと、そのページを構成している HTML を確認できます。
その中で、次のような文字を検索してみます。
wp-content
wp-includes
wp-json
generator
wp-content や wp-includes が見つかる場合は、WordPress で作られている可能性があります。
また、サイトによっては generator という情報の中に WordPress の名前やバージョンが出ていることもあります。ただし、最近ではセキュリティや運用方針の都合で、あえて表示しないようにしているサイトもあります。
ソースの確認は便利ですが、見慣れていない方にとっては少し分かりにくいかもしれません。無理に全部を理解しようとせず、まずは上のような文字があるかどうかだけ見れば十分です。
方法4:外部ツールで確認する
Web サイトが何で作られているかを調べる外部ツールやブラウザ拡張機能を使う方法もあります。僕は Google Chrome の拡張機能で Wappalyzer というのを入れて使っています。
こうしたツールを使うと、WordPress、利用しているテーマ、プラグイン、アクセス解析ツール、サーバー関連の情報などが表示されることがあります。
ただし、外部ツールで分かる情報はあくまでも「外から見える範囲」です。
ツール名そのものよりも、結果をどう受け止めるかが大切です。WordPress と表示されたとしても、それは「外から見た限り WordPress の可能性が高い」という情報であり、管理者や契約状況まで保証してくれるものではありません。
たとえば、次のようなことは分かる場合があります。
- WordPress らしいファイルが読み込まれているか
- 一部のテーマやプラグインの痕跡があるか
- サイトで使われている技術の一部
一方で、次のようなことは分からない、または正確ではない場合があります。
- 実際の管理者が誰か
- サーバーの契約者が誰か
- ドメインの契約者が誰か
- WordPress の管理画面に入れるか
- 保守契約があるか
- 最新のバックアップがあるか
外部ツールは便利ですが、結果だけを見て「これで全部分かった」と考えるのは少し危険です。あくまでも最初の手がかりとして使うのが良いでしょう。
WordPress だと分かったら、次に確認したいこと
WordPress で作られている可能性が高いと分かったら、次は管理情報を整理していきます。
ここが、実はとても大切です。
ホームページの運用で困る場面は、「WordPress かどうか分からない」ことだけではありません。むしろ、WordPress だと分かっているけれど、誰が管理しているのか分からない、ログイン情報がない、サーバーの契約者が分からない、といった状態の方が困ることがあります。
確認したい情報は、大きく分けると次の4つです。
- WordPress の管理者情報
- サーバーの契約情報
- ドメインの契約情報
- 制作会社・保守会社との契約情報
それぞれ見ていきます。
WordPress の管理者情報を確認する
まずは、WordPress の管理画面にログインできるかを確認します。
管理画面に入れる場合は、以下のような点を見ておくと良いです。
- 管理者権限を持つユーザーが誰か
- 退職者や旧制作会社のアカウントが残っていないか
- 自社で管理しているメールアドレスが使われているか
- 普段更新している人の権限が適切か
- パスワードを誰が管理しているか
ここで注意したいのは、ログインできるアカウントがあることと、サイト全体を管理できることは同じではない、という点です。
WordPress にはユーザー権限があります。記事を書けるだけの権限もあれば、テーマやプラグイン、ユーザー情報まで管理できる権限もあります。
たとえば、「投稿者」や「編集者」は記事の作成・編集が中心で、サイト全体の設定までは触れないことがあります。一方で「管理者」は、テーマ、プラグイン、ユーザー管理など、サイト全体に関わる操作ができる権限です。
もし管理画面に入れても、プラグインやユーザー一覧が見えない場合は、管理者権限ではない可能性があります。その場合は、別に管理者アカウントを持っている人がいないか確認してみてください。
サーバーの契約情報を確認する
次に確認したいのが、サーバーです。
サーバーは、ホームページのデータを置いている場所です。WordPress のファイルや画像、データベースなどが保存されています。
サーバーの契約情報としては、次のようなものを探します。
- レンタルサーバー会社名
- 契約者名
- 契約メールアドレス
- 管理画面のログイン情報
- 契約更新日
- 支払い方法
- FTP や SSH の接続情報
- データベースの情報
すべてがすぐに分からなくても大丈夫です。
まずは、レンタルサーバー会社名と契約者が分かるだけでも前進です。請求書、領収書、クレジットカード明細、メールの検索などから見つかることがあります。
特に、制作会社がサーバーを管理している場合は、自社で契約しているのか、制作会社の管理下にあるのかを確認しておきたいところです。
どちらが良い・悪いという話ではありません。ただ、トラブル時や移管時に「誰に連絡すればよいか」が分からない状態は避けたいです。
ドメインの契約情報を確認する
ドメインは、ホームページの住所にあたるものです。
たとえば、example.com のような部分です。
ドメインについては、次のような情報を確認します。
- ドメイン管理会社名
- 契約者名
- 契約メールアドレス
- 管理画面のログイン情報
- 契約更新日
- 自動更新の有無
- DNS を管理している場所
ドメインは、ホームページやメールの利用に大きく関わります。
特に注意したいのは、契約更新です。ドメインの更新が止まると、ホームページが表示されなくなったり、メールが使えなくなったりする場合があります。
また、ドメインとサーバーは別々の会社で管理されていることも珍しくありません。ホームページを見る側からすると一つのサイトに見えますが、裏側ではいくつかの契約や設定が組み合わさっています。
ここを混同しないように、サーバーとドメインは分けて整理しておくと良いです。
制作会社・保守会社との契約情報を確認する
制作会社や保守会社に依頼している場合は、契約内容も確認しておきましょう。
見ておきたいのは、次のような内容です。
- 制作を依頼した会社名、担当者名
- 保守契約の有無
- 月額費用に含まれる作業範囲
- WordPress の更新対応が含まれているか
- サーバーやドメインの管理が含まれているか
- バックアップや復元対応が含まれているか
- トラブル時の連絡先
「毎月費用を払っているから、全部見てもらえているはず」と思っていても、実際には契約範囲が限られている場合があります。
たとえば、WordPress の軽微な更新は含まれていても、サーバー障害への対応やドメイン更新、改ざん時の復旧作業は別料金になっていることもあります。
このあたりは、契約書や見積書、過去のメールを確認して、分からない場合は制作会社や保守会社に聞いてみるのが良いです。
管理者が分からない場合に、最初に探すもの
ここまで読んで、「そもそも誰に聞けば良いのか分からない」という方もいると思います。
その場合は、次の順番で手がかりを探してみてください。
- 社内の過去メールを検索する
- 請求書や領収書を確認する
- クレジットカード明細や銀行振込履歴を確認する
- 過去の担当者や制作時に関わった人に聞く
- ホームページのフッターやプライバシーポリシー周辺を確認する
- サーバー会社・ドメイン会社らしき名前がないか探す
メールを検索する場合は、次のようなキーワードが役立つことがあります。
WordPress
ワードプレス
サーバー
ドメイン
レンタルサーバー
ログイン
管理画面
契約更新
請求
納品
保守
こうした情報は、きれいに一箇所へまとまっていないことが多いです。なので、最初から完璧に整理しようとせず、「分かったこと」と「まだ分からないこと」を分けてメモしていくのがおすすめです。
WordPress ではなかった場合も、問題とは限りません
確認した結果、WordPress ではないサイトだと分かる場合もあります。その場合でも、「WordPress ではないから悪い」ということではありません。
ホームページには、WordPress 以外にもいろいろな作り方があります。静的 HTML、他の CMS、ノーコード系サービス、予約システムやECサービスに付属したページなど、事業や運用に合った形で作られている場合もあります。
大事なのは、何で作られているかよりも、自分たちが必要な更新や管理をできる状態になっているかです。
WordPress であっても管理できていなければ困りますし、WordPress でなくても運用しやすく、安全に使えているなら、それは十分に良い状態だと思います。
専門家に相談した方がよい状態
自分で確認できる範囲には限界があります。次のような状態であれば、無理に触らず、専門家に相談した方が良いです。
- WordPress の管理画面にログインできない
- 管理者アカウントが誰のものか分からない
- 退職者や旧制作会社のアカウントが残っている
- サーバーやドメインの契約者が分からない
- 更新通知が大量に出ている
- しばらくバックアップを取っていない
- 表示崩れやエラーが出ている
- 制作会社や保守会社と連絡が取れない
- サイトを移管したいが、何から始めればよいか分からない
特に、ログインできないからといって、見つけた情報を使って無理にファイルを編集したり、よく分からないままプラグインを更新したりするのは避けた方が良いです。
状況によっては、作業前にバックアップを取る、テスト環境で確認する、契約者情報を整理する、といった段取りが必要になります。
相談前に用意しておくとよい情報
専門家や制作会社に相談するときは、分かる範囲で次の情報を用意しておくと、話が早く進みます。
チェックリストとして使うなら、次のような形です。
- ホームページの URL
- WordPress 管理画面の URL
- ログインできるアカウントの有無
- 管理者権限のアカウントがあるか
- サーバー会社名
- ドメイン管理会社名
- 制作会社・保守会社の名前
- 契約書、見積書、請求書などの有無
- 困っていること
- いつ頃から問題が起きているか
- 最後に更新や改修を行った時期
全部そろっていなくても構いません。むしろ、相談の最初の目的は「足りない情報を明らかにすること」でもあります。分からないことがある状態で相談してはいけない、ということはありません。
「ここまでは分かっている」「ここから先が分からない」と整理されているだけでも、かなり対応しやすくなります。
まとめ
自分のホームページが WordPress かどうか分からない場合は、まず次の順番で確認してみると良いです。
/wp-admin/や/wp-login.phpにアクセスしてみる- ページ内や URL に
wp-contentなどの手がかりがないか見る - ページソースを確認する
- 外部ツールで参考情報を確認する
- WordPress 管理者、サーバー、ドメイン、制作会社の情報を分けて整理する
ただし、外から見える情報だけでは分からないこともあります。WordPress かどうかを確認することは入口であって、本当に大切なのは「誰が何を管理しているのか」を把握することです。
Olein Design では、WordPress サイトの管理状況の棚卸し、保守開始前の確認、他社制作サイトの引き継ぎ前調査、サーバー・ドメインまわりの情報整理なども承っています。
「うちのサイト、どこから確認すれば良いのか分からない」という状態でも大丈夫です。分かっている情報と分からない情報を一緒に整理しながら、今後どう管理していくのが良いかを考えていければと思います。
参考になれば嬉しいです。













