AI時代にもホームページは必要?企業・個人事業主が持ち続けるか判断するための考え方

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AI に質問すれば知りたいことの概要をまとめてもらえ、SNS ではお店やサービスの最新情報をすぐに確認できるようになりました。予約や商品の購入まで、外部のプラットフォームだけで完了することも珍しくありません。

そうなると、「費用や手間をかけて、ホームページを持ち続ける必要はあるのだろうか」と考える方が出てくるのも自然だと思います。

僕自身はホームページの制作や WordPress の運用を仕事にしていますが、すべての企業や個人事業主に、多くのページや機能を備えたホームページが必要だとは考えていません。SNS や予約サイトを中心にした方が、利用者にも分かりやすい場合があります。

一方で、アクセス数が少ないという理由だけで廃止すると、取引前の確認に使われていた会社情報や、問い合わせ前に読まれていた説明まで失うかもしれません。

大切なのは、ホームページを持っているかどうかではなく、自社に必要な情報と導線を、どこに、どの程度の責任を持って置くかです。

この記事では、ホームページ、SNS、note、Google ビジネス プロフィール、予約・販売プラットフォームの役割を整理しながら、維持・改善・縮小・廃止を判断する考え方を紹介します。

AI が答えてくれるなら、ホームページを見る人は減るのか

AI 検索の普及によって変わりつつあるのは、情報へたどり着くまでの入口です。

以前は検索結果から複数のページを開いて比較していましたが、現在は Google の AI Overviews や AI Mode、ChatGPT 検索などで概要を把握できる場面が増えています。

そのため、ホームページを開かなくても、会社やサービスについてある程度の情報を得られる機会は増えていくかもしれません。ただし、情報への入口が変わることと、情報の出どころが不要になることは別の話です。

Google Search Central の公式情報では、AI Overviews や AI Mode に表示されるための特別な最適化は必要なく、従来の Google 検索における基本的な取り組みが引き続き有効だと説明されています。また、回答には内容を支えるウェブページへのリンクが表示されます。

OpenAI の案内でも、公開サイトは ChatGPT 検索に表示される可能性があり、要約などへ含まれるためには OAI-SearchBot を遮断しないことが案内されています。

もちろん、ホームページを公開すれば必ず AI に参照されるわけではありません。Google も、要件を満たしたページのクロール、インデックス登録、表示を保証してはいません。

ここから言えるのは、AI 向けの特別な仕掛けを増やす前に、人や検索サービスが確認できる正確な情報を公開しておくことが大切だということです。

ホームページにしかできないことではなく、得意な役割を考える

会社情報の掲載、問い合わせ、予約、販売は外部サービスでも行えます。ですので、「ホームページにしかできないこと」を無理に探さず、比較的得意な役割を考えてみます。

公式情報の確認先になる

会社名や屋号、所在地、活動地域、連絡方法、営業時間、事業内容などを1か所にまとめられます。

ホームページに書けば自動的に信用されるわけではありません。事業者自身が現在の情報を示し、変更があれば更新する確認先を用意するという意味です。紹介や SNS で知った人が、問い合わせ前に会社概要や対応範囲を確かめることもあります。

サービスを詳しく説明する

SNS のプロフィールや1回の投稿だけでは、サービスの対象者、料金の考え方、依頼の流れ、対応できることとできないことまで説明しきれない場合があります。

必要な説明を置いておけば、利用者は自分が対象になるかを確認でき、事業者も同じ説明を繰り返す負担を減らせます。

実績や事例、よくある質問を蓄積する

ホームページでは、SNS で探しにくくなりがちな実績、事例、よくある質問などを目的別に整理できます。公開日や更新日を示し、古くなった情報を修正しながら残せることも利点です。

ただし、情報は多いほど良いわけではありません。更新されていない古い実績や、現在は提供していないサービスが残っていると、かえって判断を難しくします。蓄積することと、正しい状態に保つことはセットで考えたいところです。

問い合わせや申込みへの道筋を作る

ホームページでは、サービスの説明から問い合わせフォームへつなげたり、用途に応じて電話、メール、予約サイト、EC モールへ案内したりできます。予約や決済は外部サービスへ任せ、案内役だけを担わせる形でも構いません。

分散した情報の基準点になる

複数の媒体を併用すると、情報は各所へ分かれます。ホームページを基準点として、詳しい情報、予約先、最新のお知らせの場所を案内できます。

独自ドメインでもサーバーや CMS への依存は残りますが、情報の見せ方や導線は比較的自分たちで決めやすくなります。

SNS や外部サービスだけではいけないのか

ホームページと SNS を対立させる必要はありません。それぞれ得意なことが違うため、必要な役割に合わせて組み合わせれば良いと思います。

媒体得意なこと注意したいこと
ホームページ公式情報、詳しい説明、実績の蓄積、問い合わせ導線制作、更新、技術的な管理が必要
SNS認知、日々の発信、交流、速報性過去の情報を探しにくく、仕様変更やアカウント制限の影響を受ける
note などの投稿サービス考え方、経験、まとまった読み物の発信会社情報や複数サービスの導線設計には限界がある
Google ビジネス プロフィール店舗情報、地図、営業時間、口コミ利用できる事業や用途に条件があり、詳しい説明には向かない
予約・販売プラットフォーム予約、決済、販売手数料、掲載ルール、料金改定、競合との比較が発生する

たとえば、SNS で日々の様子を伝え、ホームページで料金や対応範囲を説明し、予約は外部サービスで受け付ける方法があります。

すべての媒体を運用するのではなく、それぞれに担当させる役割を決めることが大切です。

業種ごとの使い分けは、ホームページは必要ない?SNS とホームページのバランスを業種別に考えてみるでも紹介しています。

維持・改善・縮小・廃止の4つから考える

ホームページの今後を考えるとき、「今のまま残す」か「全部なくす」かの二択にすると判断が難しくなります。

僕は、次の4つに分けて考えるのが現実的だと思っています。

選択肢向いている状態
維持する必要な情報と導線があり、内容も正しく、運用体制がある
改善する役割はあるが、情報の古さや導線、表示、運用方法に問題がある
縮小する公式情報は必要だが、現在のページ数、機能、更新頻度までは必要ない
廃止する必要な役割をほかの媒体で担え、移行に伴う影響も処理できる

維持または改善を検討したいケース

次のような状況では、ホームページを維持する理由があります。

  • 取引前に会社や事業者の情報を確認される
  • SNS の投稿だけではサービスを説明しきれない
  • 問い合わせ前に伝えておきたい料金、条件、流れがある
  • 実績、事例、よくある質問を整理して残したい
  • 外部サービスだけに情報や連絡手段を依存したくない

ただし、必要な役割があるからといって、現在のサイトをそのまま残せば良いとは限りません。

古い料金や終了したサービスが残っている、スマートフォンで読みにくい、問い合わせフォームが届かないといった状態であれば、必要なのは単純な維持ではなく改善です。

縮小を検討できるケース

掲載したい情報が会社概要、サービス、実績、問い合わせ先に限られるなら、何十ページもあるサイトや、多くの機能を備えた CMS は必要ないかもしれません。

たとえば、次のような縮小方法があります。

  • ページ数を減らし、現在必要なサービス情報だけを残す
  • ブログを休止し、日々の発信は SNS や note へ移す
  • 予約、販売、フォームを外部サービスへ移す
  • WordPress の構成を簡素にする
  • 数ページの静的サイトへ移行する

静的なサイトへ移せば WordPress などの更新負担を減らせますが、ドメイン、サーバー、SSL、フォーム、掲載内容などの管理は残ります。

縮小とは管理をなくすことではなく、必要な役割に合わせて管理対象を減らすことだと考えると分かりやすいでしょう。

廃止を検討できるケース

次の条件が重なっている場合は、ホームページを持たない運用も選択肢になります。

  • 集客、説明、予約、決済、連絡が特定の外部サービス内で完了する
  • 会社やサービスについて詳しく説明する必要がほとんどない
  • 取引前の事業者確認や、採用、協業など別の用途がない
  • 外部サービスの料金改定、仕様変更、アカウント制限を受け入れられる
  • 必要な情報と連絡先を、ほかの媒体へ無理なく移せる

ただし、アクセスや更新が少ないという理由だけで廃止を決めず、誰が何を確認するために使っているのかを調べてから判断した方が良いと思います。

AI時代に最低限整えておきたい情報

AI 向けに新しい文章を大量に作る前に、人が事業者を確認し、サービスを理解し、依頼するか判断するための情報を見直します。

すべての事業者に同じ項目が必要なわけではありませんが、次の3つに分けると確認しやすくなります。

事業者を確認する情報

  • 正式な会社名や屋号
  • 所在地または活動地域
  • 運営者情報
  • 連絡方法
  • 営業時間、必要な許認可や法定表記

サービスを理解する情報

  • 誰に何を提供しているのか
  • 対応地域や対応範囲
  • サービス内容
  • 料金または料金の決まり方
  • 依頼から開始までの流れ
  • 対応できないこと、よくある質問

判断を補助する情報

  • 実績や事例
  • 運営者や著者の経験
  • 情報の根拠や出典
  • 公開日や更新日
  • お客様の声、他サービスとの違い

これは「AI に選ばれるための項目」ではありません。人にとって確認しやすく、現在の事業内容を正確に表している情報は、検索や AI が参照できる材料にもなり得る、という順番で考えるのが良いでしょう。

特別な AI 対策よりも、まずは重要な内容をテキストで確認できるようにし、内部リンクを整え、構造化データを使う場合は画面に表示される内容と一致させることが、Google の公式案内にも沿っています。

自社にホームページが必要か、4つの観点で確認する

点数で機械的に判定するのではなく、答えに迷った項目を見つけるために使ってください。

1. 情報の必要性

  • 取引前に、事業内容や運営者を確認してもらう必要があるか
  • SNS のプロフィールだけでは説明しにくいサービスがあるか
  • 問い合わせ前に伝えるべき料金、条件、流れがあるか

2. 導線の必要性

  • 問い合わせや申込みの入口が必要か
  • 予約サイトや販売サイトへ誘導する必要があるか
  • 電話、メール、フォームなど複数の連絡方法が必要か

3. 外部サービスへの依存をどこまで許容できるか

  • 特定の SNS やプラットフォームだけで運用しても問題ないか
  • アカウントを利用できなくなった場合も連絡先が残るか
  • 料金改定や仕様変更を受け入れられるか
  • 自分たちの言葉や構成で詳しく説明する必要があるか

4. 運用を続けられるか

  • 情報を更新する担当者がいるか
  • 技術的な管理を担当する人がいるか
  • 維持費を用意し、定期的に内容を点検できるか
  • 問い合わせが正常に届いているか確認できるか

回答を整理すると、次のような方針が見えやすくなります。

現在の状態検討しやすい方針
情報と導線が必要で、運用体制もある維持または改善
情報は必要だが、更新頻度は低い小規模化
情報は必要だが、運用体制がない保守体制の見直し、仕組みの簡素化
取引が外部サービスで完了する外部サービス中心にし、必要なら最低限の案内だけ残す
情報も導線もほとんど必要ない廃止を含めて検討
役割や利用状況が分からないアクセス、問い合わせ、契約情報を調査してから判断

廃止や移行を決める前に確認したいこと

ホームページを閉じるときは、ページを削除するだけでは終わりません。独自ドメインを使っている場合は、メール、各種サービスのログイン、名刺やパンフレット、二次元コードなどにも使っていないか確認してください。

別のサイトやサービスへ移す場合は、古い URL と新しい URL の対応も必要です。Google のサイト移行に関する公式情報では、URL の対応表を作り、サーバー側で恒久的なリダイレクトを設定し、Search Console やアクセス状況を確認するよう案内しています。リダイレクトは、一般に少なくとも1年間維持することも推奨されています。

廃止や移行の前には、最低でも次を確認しておきましょう。

  • ドメインをホームページ以外にも使っていないか
  • 独自ドメインのメールアドレスを継続するか
  • 外部サイト、SNS、印刷物からリンクされていないか
  • 問い合わせ先と問い合わせ履歴をどう扱うか
  • 外部サービスへ情報や顧客データを移せるか
  • ドメイン、サーバー、CMS、外部サービスの契約を誰が停止するか

分からない項目が多い場合は、廃止を急がず、先に契約や利用状況を調べます。

自分で確認できることと、相談した方が良い状態

まずは、次の情報を自社で確認します。

  • 現在公開しているページの一覧
  • 直近1年間に更新した内容
  • 問い合わせや申込みが来る経路
  • SNS や外部サービスとの役割分担
  • 年間費用と担当者
  • 今後ホームページに期待する役割

一方で、次のような状態では、制作会社や運用担当者へ相談した方が安全です。

  • どのページが利用されているか分からない
  • ドメインやサーバーの契約者が分からない
  • 廃止した場合のメールや検索への影響が分からない
  • 問い合わせフォームが届いているか確認できない
  • 縮小、移行、作り直しの費用と負担を比較できない

相談するときは、ホームページの URL、契約サービス、費用、現在の担当者、分かる範囲のアクセス情報や問い合わせ状況を用意しておくと、現状を整理しやすくなります。

オレインデザインでは、ホームページを残すことや WordPress を使い続けることだけを前提にせず、現在の役割や運用体制を確認しながら、改善、縮小、移行も含めて整理しています。判断材料が足りずに困っている場合は、お問い合わせからご相談ください。

まとめ

AI 検索や SNS が広がっても、すべての企業や個人事業主に同じ規模のホームページが必要になるわけではありません。

ホームページは、持っているだけで事業に役立つものではありません。反対に、アクセス数が少ないからといって、すぐに不要と判断できるものでもありません。

まずは、誰が、何を確認するために利用しているのかを整理します。その役割をほかの媒体で担えるなら、外部サービス中心の運用も選べます。必要な役割は残したいものの、現在の規模を維持できないのであれば、ページや機能を減らす方法もあります。

大切なのはホームページを残すことではなく、自社の情報を正確に伝え、必要な人が確認できる状態を、無理なく維持することです。

この記事が、自社の情報発信とホームページの役割を見直すきっかけになれば嬉しいです。

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