食品の消費税率が変わるとホームページも修正が必要 ? 飲食店・食品販売サイトで確認したいこと

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2026年7月30日、高市総理は自民党総裁として、2027年4月から2年間、飲食料品に係る消費税率を1%へ引き下げる考えを示し、8月上旬に党内の議論を取りまとめるよう指示しました。会見の映像は政府広報オンラインで公開され、翌31日の農林水産大臣記者会見でも発言の趣旨が説明されています。

ただし、これは政府としての制度決定や、「2027年4月から1%が適用される法律が成立した」という意味ではありません。本記事で確認した一次資料の範囲では、2026年8月17日時点で税率変更に必要な法改正の成立を確認できていません。国税庁が案内している現行制度では、標準税率が10%、酒類と外食を除く飲食料品などに適用される軽減税率が8%です。

この話題を見たとき、僕も最初はレジや会計システムの変更を思い浮かべました。しかし、Web 制作や WordPress の運用という視点で考えてみると、もうひとつ忘れてはいけないものがあります。

それが、ホームページです。

飲食店や食品販売のホームページには、メニュー、商品価格、送料、よくある質問、PDF、画像など、税率や価格に関係する情報がいくつもあります。制度の詳細が決まってから慌てて探すより、今は変更するのではなく、変更が必要になりそうな場所を把握する時期と考えるのが良いでしょう。

この記事では税務処理そのものではなく、飲食店や食品販売を行う事業者が、消費税率の変更に備えてホームページのどこを確認すると良いのかを、Web 制作・運用の視点から整理します。

この記事は2026年8月17日時点の一次資料をもとにしています。2027年4月からの税率変更は、高市総理が自民党総裁として示した考えです。本記事で確認した一次資料の範囲では、政府としての制度決定や、施行を決める法改正の成立は確認できていません。制度の対象、実施時期、経理処理などは、今後公表される法令や国税庁の案内を確認し、必要に応じて税理士などの専門家へご相談ください。

まず確認したい現在地

現時点の状況を簡単に整理すると、次のようになります。

項目2026年8月17日時点の状況
現在の標準税率10%
現在の軽減税率8%
社会保障国民会議の議長案2027年4月1日から2年間、飲食料品の税率を1%とする
7月30日に示された考え高市総理が自民党総裁として、2027年4月から2年間の1%への引き下げを示し、党内議論の取りまとめを指示
法的な状況本記事で確認した一次資料の範囲では、税率変更に必要な法改正の成立は確認できていない

現在の軽減税率は、酒類と外食を除く飲食料品などが対象です。飲食店の場合、店内での飲食は原則10%、持ち帰りとして販売する飲食料品は8%となります。国税庁の軽減税率制度の説明でも、この対象範囲が示されています。

社会保障国民会議の議長案では、2027年4月1日から2年間、飲食料品の消費税率を1%とする案が示されました。7月30日に高市総理が自民党総裁として示した考えも、2027年4月から2年間、飲食料品の税率を1%へ引き下げる内容です。ただし、具体的な対象区分は、今後の法令や国税庁の案内で確認する必要があります。現行の対象区分を維持したまま法制化され、テイクアウトが対象に含まれる場合は1%になると考えられますが、これは現時点で確定した制度ではありません。

一方、店内飲食や酒類などの扱いを、ホームページ管理者が現段階で独自に決めることはできません。制度の対象は法令や国税庁の案内で確認し、販売価格は事業者が方針を決めたうえで、ホームページへ反映するという順番が大切です。

ホームページには価格に関係する情報が意外と多い

消費税率の変更と聞くと、まず商品や料理の価格を思い浮かべるかもしれません。しかし、ホームページの確認範囲は、通常のメニューページだけではありません。

飲食店であれば、次のような場所が考えられます。

  • 通常メニュー、ランチ、コース料理のページ
  • テイクアウト、弁当、オードブルの案内
  • デリバリーやケータリングの案内
  • 期間限定のキャンペーンページ
  • PDF 形式や画像形式のメニュー
  • 予約フォームの説明文や自動返信メール
  • 過去のお知らせやブログ記事

食品を販売している事業者では、さらに確認範囲が広がります。

  • 商品詳細と商品一覧
  • カートと購入手続きの画面
  • 送料、手数料、定期購入の説明
  • 注文確認画面と注文確認メール
  • FAQ (よくある質問)
  • 特定商取引法に基づく表記
  • クーポンやキャンペーンの案内
  • 請求書や納品書を作成する機能

また、自社サイトだけでなく、Google ビジネスプロフィール、予約サービス、デリバリーサービス、SNS の固定投稿などにも価格を掲載している場合があります。すべてを WordPress だけで管理しているとは限らないため、価格情報を掲載している媒体の一覧も作っておくと安心です。

「8%」を「1%」へ一括置換するのは危険

WordPress サイトの中から「8%」を探し、すべて「1%」へ置き換えれば良いと思うかもしれません。しかし、この方法はおすすめできません。

たとえば、過去の記事に次のような記録が残っていたとします。

2019年10月から軽減税率制度が始まり、対象となる飲食料品には8%の税率が適用されました。

この8%を1%へ置き換えると、過去の事実まで変わってしまいます。「8%」が現在の価格説明なのか、過去の制度の記録なのか、単なる計算例なのかは、文章を読まなければ判断できません。

そのため、次の順番で確認するのが安全です。

  1. 税率や価格に関係しそうなページを洗い出す
  2. それぞれの記述が何を説明しているか確認する
  3. 確定した制度に合わせて修正する必要があるか判断する
  4. 必要な箇所だけを修正する
  5. 修正後の表示と購入・予約の流れを確認する

大切なのは、文字列を見つけることではなく、現在販売している商品やサービスについて、変更後の情報へ直す必要がある場所を見つけることです。

税率が下がる場合でも、税込価格が自動的に決まるわけではない

ホームページに「テイクアウト弁当 1,080円 (税込)」と掲載している場合を考えてみます。

消費税率が8%から1%へ変わったとしても、ホームページ管理者が機械的に新しい税込価格を計算し、書き換えて良いとは限りません。税抜価格を維持するのか、税込価格を維持するのか、原材料費などを踏まえて本体価格を改定するのかは、事業者側の判断になるためです。

修正作業を始める前に、少なくとも次の方針を決める必要があります。

  • 税抜価格と税込価格をどうするか
  • 店内飲食とテイクアウトで税込価格を分けるか
  • 価格を同じにする場合、税抜価格をどのように設定するか
  • ホームページ、店内メニュー、チラシなどの表示をそろえるか
  • 旧価格をいつまで掲載し、新価格をいつから表示するか

不特定多数の消費者へあらかじめ価格を表示するときは、原則として税込価格を表示する「総額表示」が必要です。また、店内飲食とテイクアウトで税込価格が異なる場合の表示方法についても、国税庁が例を示しています。詳しくは、軽減税率制度に関する価格表示の Q&Aをご確認ください。

Web 制作者やホームページ管理者だけで価格を決めず、経営者、店舗担当者、経理担当者などと確認してから反映する必要があります。

店内飲食とテイクアウトの両方を扱う場合は表示方法も確認する

現在の制度では、同じ料理であっても、店内飲食は原則10%、テイクアウトは8%です。販売時に、店内で食べるのか持ち帰るのかを確認し、適用する税率を判定します。

たとえば、ホームページに次のように書かれていたとします。

ハンバーガー 550円 (税込)

この価格が店内飲食とテイクアウトのどちらを指すのか、両方とも同じ税込価格なのか、表示だけでは分からない場合があります。

今後の法改正で現行の対象区分が維持され、軽減税率の対象となるテイクアウトが1%になれば、店内飲食10%との税率差は現在よりも大きくなります。ただし、これは2026年8月17日時点で確定した税率区分ではありません。制度の詳細と店舗の価格方針が決まった段階で、次の点を確認したいところです。

  • 店内飲食とテイクアウトの税込価格をそれぞれ表示するか
  • どちらか一方の価格だけを表示する場合、対象を明確に伝えられているか
  • 同じ税込価格にする場合、その方針を利用者へ分かりやすく伝えられているか
  • 店頭メニューとホームページの表示が一致しているか

これは税率だけの問題ではなく、利用者が注文前に価格を誤解しないための情報設計でもあります。

PDF や画像で作られたメニューは別に確認する

WordPress の編集画面で「8%」「税込」などを検索しても、PDF や画像の中に書かれた文字は見つからない場合があります。

特に確認したいのは、次のようなファイルです。

  • PDF メニュー
  • 価格を直接書き込んだ料理写真
  • キャンペーンバナー
  • 店内メニューを撮影した画像
  • ダウンロード用の商品カタログ

PDF や画像は、元データを誰が持っているのか分からなくなっていることもあります。修正箇所だけでなく、元のデザインデータ、使用フォント、担当者、書き出し方法まで確認しておくと、税率変更への対応が必要になった際に更新を進めやすくなります。

ページ本文だけ新価格になり、PDF だけ旧価格のまま残ると、利用者を迷わせてしまいます。見た目が画像であっても、価格情報であることに変わりはありません。

WordPress では投稿本文以外にも情報が保存されている

WordPress の情報は、固定ページや投稿の本文だけに保存されているとは限りません。

サイトの作り方によっては、次のような場所にも価格や注記が入っています。

  • カスタムフィールド
  • カスタム投稿タイプ
  • ウィジェット
  • 再利用しているパターン
  • テーマ独自の設定画面
  • フォームの自動返信メール
  • SEO プラグインなどへ入力した説明文

カスタムフィールドは、商品価格や営業時間など、決まった種類の情報を投稿本文とは別に保存する仕組みです。カスタム投稿タイプは、通常の投稿や固定ページとは別に、商品やメニューなどを管理するための投稿形式を指します。

これらを利用しているサイトでは、管理画面の検索だけで全件を見つけられない場合があります。制作会社や保守担当者へ相談するときは、「価格がどこに保存されているか分からない」と伝えても問題ありません。まず保存場所を調査し、変更候補を一覧にするところから始められます。

WooCommerce などの EC サイトは設定と動作確認が必要

WooCommerce は、WordPress にネットショップの機能を追加するプラグインです。WooCommerce などで食品を販売している場合、ページ内の文章を直すだけでは対応が終わりません。

WooCommerce の公式ドキュメントでは、税率、税区分、送料に適用する税区分、商品ページやカートでの税込・税抜表示などを設定できることが案内されています。実際に必要な設定や税務上の扱いは、販売内容や利用している拡張機能によって異なるため、公式ドキュメントと各サービスの案内を確認し、税務上の判断は税理士などの専門家へご相談ください。

たとえば、次のような項目に影響する可能性があります。

  • 商品ごとの税区分と税率
  • 商品一覧と商品詳細の価格
  • カートと購入手続き画面の税額
  • 送料や手数料に適用する税率
  • クーポンと定期購入
  • 注文確認メール
  • 請求書と納品書
  • 会計、在庫、決済などの外部サービスとの連携

食品、酒類、雑貨など、異なる税率の商品を同じショップで販売している場合は、商品ごとの税区分も確認する必要があります。

設定を変更したあとは、商品ページを見るだけでなく、テスト注文を行い、カート、決済、メール、帳票まで一連の流れを確認したいところです。外部サービスと連携している場合は、税率変更への対応可否、対応時期、設定方法も、それぞれの公式案内で確認します。

今から進めたい準備

2026年8月17日時点では、実際の税率や価格を書き換える段階ではありません。現行税率は10%と8%であり、今後公表される法令や国税庁の案内によって対象や実施時期などを確認する必要があります。早く変更すると、現在の販売情報が誤った状態になるからです。

一方で、次の準備は今から進められます。

1. 価格と税率を掲載している場所を一覧にする

ホームページ内では、次の言葉を手がかりに探します。

  • 8%
  • 消費税
  • 軽減税率
  • 税込
  • 税抜
  • テイクアウト
  • 持ち帰り
  • 店内飲食

検索結果をそのまま変更リストにせず、ページ URL、掲載内容、現在も使っている情報かどうかを記録します。PDF、画像、メール、外部サービスは別の項目として整理すると見落としを減らせます。

2. 誰が価格を決め、誰が修正するか確認する

価格方針を決める人、税務上の扱いを確認する人、ホームページを修正する人が同じとは限りません。

今後、制度の詳細が確定してから連絡先を探し始めるのではなく、経営者、経理担当者、店舗担当者、制作会社などの役割を決めておきます。PDF の元データを持っている人や、外部サービスのアカウント管理者も確認しておきましょう。

3. 更新日と確認手順を決める

制度の施行日が確定したら、公開中のホームページをいきなり編集するのではなく、可能であれば事前に新しい表示を準備し、決めた日時に切り替えます。

切り替え後は、次の内容を確認します。

  • 新旧の価格が混在していないか
  • 店内飲食とテイクアウトの説明が分かるか
  • スマートフォンでも価格が読みやすいか
  • キャッシュに古いページが残っていないか
  • カート、予約、問い合わせ、メールが正しく動くか
  • PDF、画像、外部サービスも更新されているか

キャッシュは、ページを速く表示するために古い表示内容を一時保存する仕組みです。WordPress 側を修正しても、キャッシュが残っていると利用者には旧価格が見える場合があります。

自分で確認しやすいことと、相談した方が良いこと

まず自分で確認しやすいのは、公開中のページ、メニュー、PDF、画像、外部サービスに価格や税率が掲載されているかどうかです。見つけた場所を一覧にするだけでも、制度の詳細が決まったあとの作業が進めやすくなります。

一方、次のような場合は、制作会社や保守担当者へ相談した方が良いでしょう。

  • サイト内のどこに価格情報が保存されているか分からない
  • ページ数、商品数、PDF が多い
  • WordPress の管理画面で検索しても情報を見つけられない
  • WooCommerce などの EC 機能を使っている
  • 店内飲食とテイクアウトの両方を扱っている
  • 予約、決済、会計などの外部サービスと連携している
  • 決めた日時にまとめて表示を切り替える必要がある
  • 修正後のテストを社内だけで行うのが難しい

相談するときは、サイトの URL、販売している商品の種類、店内飲食とテイクアウトの有無、EC 機能の有無、価格を掲載している PDF や画像、希望する切り替え時期を用意しておくと話が進みやすくなります。

まとめ

飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間、1%へ引き下げる考えを、高市総理が自民党総裁として示しました。ただし、本記事で確認した一次資料の範囲では、2026年8月17日時点で政府としての制度決定や、税率変更に必要な法改正の成立は確認できていません。そのため、今すぐホームページの価格や税率を書き換える段階ではありません。

個人的には、今の段階で大切なのは、次の3点だと考えています。

  1. 制度の確定情報を公式発表で確認する
  2. ホームページや外部サービスのどこに価格・税率情報があるか把握する
  3. 価格方針が決まってから、必要な場所だけを安全に修正する

税率変更は、レジや会計ソフトだけの問題ではありません。お客様が購入や来店の前に見るホームページにも、価格に関する情報が残っています。

オレインデザインでは、WordPress で作られた飲食店・食品販売サイトについて、価格や税率に関係するページ、PDF、画像、EC 設定などの洗い出しから、修正後の表示・動作確認までお手伝いしています。どこを直せば良いか分からない段階でも、WordPress 運用・実装サポートからご相談いただけます。

今後、制度の実施が決まった場合も、開始直前に慌てて一括置換するのではなく、まずは変更が必要になりそうな場所を整理するところから始めてみてください。この記事が、その確認の参考になれば嬉しいです。

参考リンク

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