WordPress で作られたウェブサイトやブログのリニューアル時に依頼者が気をつけるべきポイント

WordPress で作られたウェブサイトやブログをお持ちの方は多いと思います。なぜなら、世界中のウェブサイトのうち40%以上が WordPress で作られているというデータがあるくらい、様々なところで利用されているからです。

そして、これは WordPress で作られているかどうかは関係ありませんが、ウェブサイトやブログを長い期間運営していくことで、新たに必要と感じる機能や仕組みなどが出てきます。

それは、デザイントレンドに影響される部分もありますし、新しく活用できる機能や仕組みから発生するアイデアであったりします。

ここでは、WordPress で作られたウェブサイトを運営されている方(=リニューアルを依頼する側)の視点に立って、リニューアルする際にどんなことに気をつけておくと良いのかとご紹介しようと思います。

依頼者側が事前知識を少し持っておくだけで、信頼できる依頼先かどうかを判断しやすくなることがあります。

ぜひ「そろそろウェブサイトやブログのリニューアルを考えている」という方は参考になさってください。

こういった専門知識を理解されていなくてもリニューアルのご依頼を頂くことが一般的です。

オレインデザインでは、専門用語も噛み砕いて分かり易くご説明しますのでご安心ください。

なぜリニューアルが必要と感じるのかを明確にする

まず、そもそも論なのですが「なぜリニューアルが必要なのか」という点を明確にしておく必要があります。

「デザインにちょっと飽きてきた」や「なんとなく数年経ったから」という理由の場合もあると思いますが、リニューアルをするためには少なからず費用(コスト)が発生することがほとんどですので、その費用に対して成果を感じられる理由であるかどうかを明確にする必要があります。

「デザインにちょっと飽きてきた」という理由も、一つの立派な理由です。運営者ご自身が飽きてきているということは、よく閲覧していただいている方の中には、同じような感想を持っている方もみえるかもしれません。

逆に「そのデザインが馴染んでいる」という考え方もできるので、否定的な側面ばかりではないと思いますが、ユーザーからの生の声を集めてみたり、現在のデザインをうまく受け継いだ上でリニューアルを実施するという方法もあります。

このように、思い浮かんだ理由を箇条書き形式で書き出して(視覚化して)、メリットやデメリット、改善方法などをご自身で出来る範囲で確認してみることで、実際に依頼を出す際に考えを伝えやすくなるのでお勧めです。

エディターに関する知識を浅く知っておく

2018年12月に WordPress 5.0 というバージョンがリリースされ、そのタイミングでエディター(記事やページを編集する画面)も「ブロックエディター」と呼ばれるものに変更になりました。

また、WordPress 4.x 系まで使われていたエディターは「クラシックエディター」という呼ばれ方をされています。(下記参照)

ブロックエディター
クラシックエディター

ですので、2018年12月以前に制作されている WordPress を用いたブログやウェブサイトの場合、ブロックエディターに完全に対応していない可能性があります。

ただ、WordPress に定められている一般的な汎用テーマの作り方に沿った作りをされている場合、大きな問題なくブロックエディターを使った編集を進めることもできるでしょう。

また、上記のようなクラシックエディターで現在に至るまで、ページ編集や投稿作成をされてきた方にとっては、「以前の編集画面の方が慣れている」と言われる方もお見えになるかと思います。

クラシックエディターを利用することは、当記事執筆時においては非推奨とされているわけではなく、実際に WordPress 5.x 以上の標準的にブロックエディター対応しているバージョンにおいても、Classic Editor というプラグインが提供されています。こちらを利用することで、WordPress 5.x 以上のバージョンにおいてもクラシックエディターを利用することができます。

また、このプラグインページには、2021年5月19日現在、

Classic Editor は公式な WordPress プラグインであり、少なくとも2022年まで、または必要なくなるまでの間、完全にサポート・保守されます。

https://ja.wordpress.org/plugins/classic-editor/

と記載されており、今後も継続的にメンテナンスされる可能性が高いと考えられています。

今後のエディターへの考え方

上で説明したように、割合はさておき、現在はブロックエディターとクラシックエディターを使う WordPress ユーザーが存在する状況です。

様々な使用体験の上で、今後ブロックエディターにするべきなのか、やはりクラシックエディターの方が良いのか、様々な考え方があるでしょう。

ここでは、私自身の個人的な考えを書きます。これが全てではないことだけは、あらかじめご理解ください。

クラシックエディターを使うべき理由があるかどうか

私はポイントとなるのは1点だと考えています。それは「クラシックエディターを採用する必要性次第」であると思っています。

ウェブサイトやブログを形成する上で、どうしてもクラシックエディターでしか提供できない仕組みというものが無いわけではありません。

例えば、現在ウェブサイトで提供しているサービスや機能で、ブロックエディターには対応できない(もしくは対応するにはコストが大きくなりすぎる等)プラグインなどで提供されているもなどがある場合は、どうしようもない理由に含まれるでしょう。

そういった部分は、専門的な知識を持っている方に相談したり意見を聞いたりする必要が出てくるかと思います。

未来がある方をお勧めします

クラシックエディターは今までの WordPress を支えてきた素晴らしい編集画面です。そして、上でも紹介しているようにプラグインを利用することにより、最新の WordPress でも利用することができます。

しかし、私はブロックエディターをお勧めします。

理由は単純で、未来があるからです。

クラシックエディターは上記プラグインで利用するとこができますが、利用する上で必要なメンテナンスがされているだけで新しい機能追加はされません。言い換えると、これ以上便利になることはないということです。

逆にブロックエディターは、今この瞬間も開発に関する多くのやり取りや意見交換がオンライン上で盛んに交わされており、今後も開発が進められることは間違いありません。

その中で、今よりも便利な機能や使いやすい設計になっていくことは疑う余地もなく、そこに対してさらにサードパーティ製品が生まれ、一層便利になっていくことが予想できます。

そういった背景を踏まえて、今後 WordPress を活用したウェブサイトやブログの運営を続けていく上で、どちらの編集画面を選択するべきかと問われると、個人的にはブロックエディターを選びます。

ウェブサイトが存在する目的を再確認する

リニューアルを踏まえて今一度考え直したいのが、ウェブサイトが存在する目的です。

リニューアルを行うということは、現在ウェブサイトが存在するということになります。ということは、その存在しているウェブサイトやブログを作った際に持っていた目的や、今動いている上での目的(課題やゴールなど)があるはずです。

その部分を再確認することで、そのままの目的で良いのか、新たな役割を持たせるべきなのかなど、考えるべきことがはっきりとしてくるでしょう。

どれくらい今後の拡張性を考えてリニューアルをするか

この部分は、まずリニューアル依頼者として、今後どのようにウェブサイトやブログを運営していくか、計画やビジョン、やってみたいことなどがあればリストアップしておくと良いでしょう。

リニューアルをしてくれる側は、そういった考えを精一杯加味した上での設計をしてくれるからです。

また、そのビジョンを実現したいとなった場合にも、取り回しが利くようにリニューアル作業を進めてくれるはずです。

ですので、そういった将来的な考えやアイデアがある場合には、事前にぼんやりとでも伝えておくと、より拡張性を持ったリニューアルを進めることができるでしょう。

デザインの独自性・レイアウト自由度はどの程度必要か

デザインの独自性やレイアウト自由度については、どれくらいリニューアル後に運営する方がハンドルを握りたいかによると思います。

ここには、先ほど出てきましたブロックエディターにどのように対応していくかがポイントになってきます。そして、それによってコストも大きく変わってくるため、出来るだけ事前知識を持っておいた方が(悪意のある制作者や知識の浅い制作者との)トラブルは少なくなるでしょう。

デザインの独自性の確保について

デザインの独自性というのは、要するにオリジナリティをどれくらい持たせるか・必要だと考えるか、という点になってきます。

デザインの独自性をしっかりと確保したい場合には、デザイナーにデザインを依頼する必要があります。

そして、そのデザインをもとに WordPress で利用できるようにコーディングをしたりプログラムで機能を実装したりしていきます。

(本当はもっと奥深いのですが)簡単にご説明するとこのような工程が必要になり、そこにはコストが発生します。

しかし、これは WordPress 4.x 時代にも行われていたことなので、特別増えたコストというわけではありません。

レイアウトの自由度の確保について

レイアウトの自由度というのは、主にブロックエディターで自由なページレイアウトを作れるように対応するかどうか、という点になります。

仮に、上でご紹介したデザインの独自性を確保した場合には、想定できるデザインの種類や幅、汎用性や拡張性を検討しながら標準で用意されているブロック、または各種プラグインから提供されるブロックを利用して、どう実現することができるかを設計していく必要があります。

こちらは、今までの WordPress 4.x 以前にはなかったブロックエディターへの対応になるので、近年必要になってきた工程と考え方になります。

以上の理由により、レイアウトの自由度を確保するためには、かなり大きな予算が必要になることは、事前知識として持っておくと良いかと思います。

既成テーマを活用するという選択肢

それに合わせて近年強くなってきた考え方に、既成テーマを活用するという考え方です。

既成テーマといっても、有料・無料問わず配布されているものであれば何でも良いとは言えません。

制作者にも寄りますが、深い知識を持っているテーマというもの(手に馴染んだと言うと分かりやすいかも)があるはずです。

私の場合は、Snow Monkey という有料 WordPress テーマを使うことが最近は多くなってきていますが、その他にも SWELL、Nishiki Pro、Arkhe、yStandard、Lightning など素敵なテーマがたくさんあり、それぞれ機能拡張も可能です。

そして、それらを採用する一番の恩恵というのは、ブロックエディター対応です。

テーマ自体でしっかりとブロックエディターに対応しているため、エディターをフル活用することができます。そして、そのメンテナンスをテーマ開発をされている方々が担ってくれているため、他の部分に力を注ぐことが可能になります。

デメリットもあります。それは、テーマである程度レイアウトの構造が決まってくるため、デザインの独自性を制限されることがあります。

ですので、デザインをゼロから制作するものに比べると、デザイン的な制約を受ける可能性があります。

この部分は、現実的な予算ラインで決めていくしかないと考えています。

ですので、リニューアルを実施されたい場合には、事前に予算ラインを持っておかないと、実現する方法によってはコストが大きく変わってくるため、見積もりですら確度のばらつきが出てきてしまいます。

しっかりと相談できる相手に依頼しよう

WordPress は進化しています。ですので、その中でできることやできないことも当然変化してきます。また、その中で対処方法や最適な方法も変容していきます。

こういった変化の多い(=言い換えると時代の流れに沿った開発とメンテナンスがされていると言える)システムである WordPress を利用する場合、それに対して正しい理解を持っている相手に相談することをお勧めします。

しかし、今現在相談している相手が、正しい知識を持っているかどうかの判断なんで正確にできるわけがありませんよね。

そういった場合には、複数の方に相談してみると良いでしょう。オレインデザインでは、オンライン無料相談を受け付けておりますので、地理的に遠くの方でも気軽にご相談いただけるサービスを導入しております。

ぜひご活用ください。

まとめ

ウェブサイトのリニューアルはたいへんです。対応する予算幅も本当にピンキリです。ですので、そのプロジェクトごとにしっかりと注視していく必要があり、一辺倒に見ることは不可能です。

ウェブサイトやブログに関して、様々なお悩みや課題があるでしょう。そういったことを、上記の項目の内容も気にしながらピックアップしてみましょう。

そうすることで、リニューアルに必要な最低限の情報をまとめることができるでしょう。

そちらを依頼する方にお伝えしていただくことで、一層円滑にリニューアルを進めていただけるかと思います。

ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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