「クライアント・ファースト」と「お客様は神様です」との違い

最近もまだ言われていることはあるのでしょうか「お客様は神様です」という言葉ですが(僕の周りではあまり聞きませんが)、「クライアント・ファースト」という言葉もある意味では同意語として扱われてしまいがちです。

今回は、僕が考える「クライアント・ファースト」と「お客様は神様です」の違いを書いてみます。

「お客様は神様です」論

「お客様は神様」と言っているだけあって、神様のように崇めることを言うと考えます。なので、神様が言うことは絶対なのです。白を黒とお客様が言えばそれは黒になるということです。

この状況で一緒に仕事をするとどういうことが起きるのか。

まず第一に指示は基本的にトップダウンです。修正指示もこちらが必要かどうかを考える隙間すらないでしょう。お客様という神様が指示しています。逆らうとどうなるかはお分かりでしょう。

そして、ゴールが見えずらくなります。トップダウンで指示が来るということは、意識の高い人低い人問わずオペレータとなるしかありません。指示通りにオペレーションすることが唯一のタスクになるからです。

こうなると、そのプロジェクトのゴールは神様しか知りませんし分かりません。しっかりと合理的な考えのもとのトップダウンであれば、指示を受ける側はしっかりと歯車として働けば明確なゴールにたどり着けるはずです。しかし、そうでなければ神様の気が済むことがゴールになります。

この状態を続けていくとお客様には気持ちが良いかもしれません。しかし、発注者と受注者それぞれがウィン・ウィンになるためにはこの方法では難しいと考えています。

「クライアント・ファースト」論

「クライアント・ファースト」。簡単に訳してしまうと「お客さんは一番」とか「お客様第一」といかそういった方向に進みがちです。それが間違っているかどうかというよりも、解釈の違いということです。

僕はクライアント・ファーストとは、「クライアントにとってのメリットを最優先する」ことだと考えるようにしています。そして、その先にはクライアントのお客さんが見えていなければなりません。

ホームページでもチラシでもPRに関することならば、クライアントの先には必ずお客さんがいます。そのお客さんをどうしたいのか(ホームページへアクセスさせたいのか、資料請求してほしいのかなどのコンバージョン)を考えないといけません。これは「お客様は神様」論では自発的に動いてたどり着けない部分です。

「クライアント・ファースト」とはクライアントのメリット(アドバンテージ)を一番に考えることということになります。

恥ずかしながら最近まで僕自身がこのような考え方がうまくできずにいました。

クライアントを見るのか、クライアントとその先も見るのか

「お客様は神様」論は、簡単に言うと自分の利益しか考えない方法論かもなと感じます。なぜかというと、制作側はクライアントが自分のお客様として扱い、言い分をトップダウン方式で受け取り作業すれば良いのです。まさに自分に金銭を払ってくれるクライアント(お客様)だけしか見ていない形になります。

方や「クライアント・ファースト」とはクライアントとその先までを見ることだと思います。クライアントが求めるゴールに到達するために、クライアントのお客さんのことまで視野に入れてプロジェクトを企画し進めなければなりません。

また、ここではクライアントの利益が自分の利益につながるという考えのもと、同じゴールを見てプロジェクトを進めていく流れになります。

まとめ

どちらが良いのか悪いのか。その明言は避けますが、総合的に考えて自分を含めたたくさんの人が幸せになれるように仕事も進めていくべきだと、このことを考えることによって強く考え直させられました。

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