先日、とある本を読んでいて、こんなことが書いてありました。
『料金表のない商売なんて…』
確かにそうですよね。金銭的に細かいことを気にする必要がないくらい裕福であれば、価格提示のないお店にも気兼ねなく入ることはできるでしょう。しかし、そのようなことができる方々はどれほどいるか想像できないくらい少ないのではないでしょうか。
僕も含めて多くの方々はメニューに価格表記のない料理屋には怖くて入れません。他の商売にも同じことが言えるでしょう。
明朗な価格表記が必要ではないか
そういう観点から考えると、明朗な価格表記というのは当然必要に感じてきます。しかし、フリーランスで仕事をしているとはっきりとした価格表記をすることが、なにか恥ずかしく感じたりする感覚があるのも事実です。
ですが、お客様第一で考えるとやはり絶対に必要なことでしょう。
Web制作や広告制作では、当然ではありますが専門用語も多くありますし、多くの方がどのような工程を踏んで完成に至るのかをご存じない場合もあります。そういった方々が見られても「分かって頂ける」「理解して頂ける」ような表記をするか否かというだけで、成約率にも関わってきます。
なにが記載されていれば分かりやすいか
それでは「Webサイトに表記する価格表」というケースを想定して、どのような価格表、どのような記載内容であれば、専門的な知識を持ちあわせていない方々にも明朗な価格表記となるかを少し考えてみましょう。
まずは項目ごとの価格表記
「わかりやすい価格表記をするのに、最初から項目を羅列するんですか?」と思われる方もみえるかもしれません。実際、僕も色々と考えてみましたが悩んだところです。
ですが、まずは数字だけでも見てもらって相場観があわない場合はそこで離脱(ページを見るのを止めること)されることも考えられます。各項目の説明を最初にしても親切な設計と感じて頂ける方も多いかもしれませんが、「わかりやすい価格表記」を目指すためにも目的である「価格」をまずは最初に表記しておくべきであろうと考えました。
項目の説明を並べて読んで頂いた挙句、相場観が合わないので離脱されるという流れになった場合、「お客様の時間を無駄に奪う」ということになってしまいます。そういう部分にも配慮しました。
項目の簡単な説明
各項目と価格を表記した後は、それら項目の説明を入れるべきでしょう。この部分は多くの制作会社・フリーランス様のサイトで欠けている部分かもしれません。
「企画構成費」「トップページ」「コーディング」「下層ページ」などなど、考えればなんとなくわかる方もみえるかもしれません。しかし、見て頂いている方々全てが、そのように察せれるわけもありません。(察しを期待している時点でアウトですよね)
ですので、言葉を噛み砕きながらわかりやすく説明してみることを心がけて、説明を記載しましょう。例えば、このような感じでしょうか。
企画構成費とは、お客様との打ち合わせにより、ご要望を詳しく伺い、Webサイト(ホームページ)の方向性を企画またはご提案させていただく費用となります。
回りくどく感じる方も見えるかもしれませんが、説明する部分に関しては誰が読んでもわかるように書くことは必要だと思います。
簡単な価格例
その後は簡単な価格例を数ケース、示してみてはどうかと考えました。
Webサイト(ホームページ)を作ると言っても、お客様それぞれにベストな構成というものが存在します。ですので、これといった型にはめるのが難しい場合もあります。(逆に型にはめることによって制作コストを抑えて提供するというパッケージ販売という方法もあります)
ですので、漠然とした形になるかもしれませんが、「このような構成だと、これくらいの価格となります」という表記をサンプル(例)として掲載することによって、価格表を見ているお客様に完成イメージとコストイメージを持って頂けるはずです。
制作工程を簡単にわかりやすく
ここまで見ていただけると、コストイメージはある程度分かっていただけていると解釈できます。ですので、次はお客様と一緒に歩んでいく制作工程を簡単に説明しておきます。
ここでは、できればフローチャートのような形で説明するべきでしょう。また、上で説明している内容もチャート内に盛り込むことによって、より一層お客様に制作工程をイメージして頂けるのではないでしょうか。ですので、フローチャートを作る際には、分かりやすい言葉(説明済みの言葉)や工程にかかる期間(目安程度)などは盛り込んでいおくと分かりやすいのではないでしょうか。
制作実績に価格表記をする
最後に、今までの制作実績資料に価格を明記して記載するというのも良いでしょう。
ここまででも、わかりやすく説明することによって、お客様にはかなりイメージしていただけると思います。ですので、最後に実際に今まで制作した実績を製作コストと共に紹介しておくとよいでしょう。
そうしておけば、実際のサイトにリンク経由で訪問し触って確認していただくことも可能ですし、掲載させていただけるサイト様の宣伝にも少なからずなるのではないでしょうか(掲載許可をいただく際には、そのような説明もありかと思います)。
まとめ
Web制作において、お客さんに分かりやすい価格表記を考えてみました。僕自身もまだまだそうなのですが、自分が分かっていることを相手も分かっているとは限らないということを、もっとしっかりと自覚して制作に取り組むべきだと確認させられました。
今回の記事では、以下のような項目と流れで価格を表記してみてもいいのではないかと考えました。
- まずは、各項目ごとに分かりやすい価格を明記
- そして、各項目についての簡単な説明
- できれば、サンプル案件例をもとに価格例を説明
- なおかつ、分かりやすい制作工程をフローチャートで説明
- 最後に、制作実績に実際のコストを表記してコストイメージを明確に
このような流れで価格を説明することで、お客様には、内容・規模・コストともにイメージしやすい価格表に近づくのではないかと考えます。
早速、当サイトの価格表もわかりやすく作り直してみることにします(まだやってない)。