Snow Monkey を活用したWeb制作スタイルにおける最適な力点の置き方

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みなさん、こんにちは。岐阜県岐阜市を拠点にフリーランスとしてWeb制作・開発のお仕事をしておりますオレインデザインの久野と申します。初めての方は初めまして。

この記事は「Snow Monkey Advent Calendar 2021」の3日目の記事として書かせていただいています。(なので初めての方も見えるかなーと思いまして)

日頃から仕事・プライベートを問わず WordPress や Snow Monkey を触って遊んで楽しませていただいております。

また、Snow Monkey サポートフォーラムでも時間のある時にお応えさせていただいたり、HAPPY SNOW MONKEY という Snow Monkey で利用できるフックを可視化してリファレンスを参照できるサイトの運営なども行っています。

他には、WordPress や Web 制作に関する情報を動画配信したりもしていますので、良かったらご覧ください。

最近では、このような活動を通して僕のことを知っていただけることも徐々に増えてきており、最初から「Snow Monkey で制作したい」というご要望をお持ちの方「動画で見て知りました」という方も増えてきて、いつも気の抜けた雑談しか配信していないのに見ていただけて嬉しい限りです。ありがとうございます。

さて、初めましての方々への自己紹介はこの辺りにしまして、本題に入りたいと思います。

この記事ではタイトルにある通り「Snow Monkey を活用したWeb制作スタイルにおける最適な力点の置き方」についてご紹介していきたいと思います。

ご存知の方が多いように、Snow Monkey は他にもある便利な WordPress プレミアムテーマと同じように、痒いところに手が届いている便利なテーマとなっています。

ですので、Web 制作初心者の方からベテランまで幅広い方々が利用し、また最低限のところまではかなり素早く作ってしまうことができます。

俗に言う「できる人」と「初心者」の境目は、この「最低限のところ」からどのような肉付けができるか、メンテナブルに提案・機能追加ができるか、という点になると思っています。

よって、このような WordPress プレミアムテーマを採用した Web サイト制作の場合、必要となるスキルの重心も少し変わることがあります。(変えることができる、とも言えるでしょう)

今回は、Snow Monkey に任せられるところは任せて、僕たちはどんなところに力を向けると、相乗効果で良い Web サイトを提供することができるのか、という点について個人的に優先順位の高いものからご紹介したいと思います。

ブロックを提供してくれるプラグインへの知識

Snow Monkey と相性が良いカスタムブロックプラグインとして、Snow Monkey Blocks というものがあります。みなさんご存知でしょう。

また、Snow Monkey というテーマの生い立ちや作られ方など思想部分にもご理解のある方はご存知かもしれませんが、WordPress 自体の思想に可能な限り準拠した汎用性の高い作りになっています。

ですので、他にもあるカスタムブロックを提供してくれるプラグインでも最低限の動作はされるでしょう。(多少の調整は必要な場合があるので、そこは Snow Monkey 側に任せるのではなく、導入したご自身で対応されることが一般的かとは思います)

そういった便利なカスタムブロックプラグインを活用しながら、ページレイアウトを作ったり、コンテンツを作ったりすることが、本当に容易にできるようになったのがブロックエディターの特徴でもあります。

しかし、そういった便利なカスタムブロックたちが「在る」だけでは足りません。「使える」ということが必要になります。

そのためには、どんなブロックがありどんなことができるのか を理解しておく必要があります。

先日のめがねさんの記事にも書かれていましたが、「インブラウザデザインで進める」ためには、どのブロックでどんなことができるのかを把握していないと、作業効率が上がりませんし、お客さんの目の前で右往左往しているところはあまり見せたいものでもありません。

そのためにも、遊びながらどんなことができるのかをたくさん触ってみる必要があるでしょう。

構造とCSSカスタマイズの知識

これは今まで Web 制作に携わってきた方であれば、取り組んできたこととしては同じなので問題はないと思います。

しかし、Web 制作初心者の方々の中には、開発者ツールで構造を確認して CSS を試すということに慣れていない方も少なくないでしょう。

この部分は WordPress や Snow Monkey Blocks を使っていると、自然に各ブロックの構造はなんとなくわかってくるので、たくさんの経験値を積むということが、唯一の解決方法なんだろうと思っています。

ぜひ遊んでも良い環境で、追加 CSS に色々と書いてみながら遊んでみましょう。

PHPカスタマイズの一連の処理を学ぶ

Snow Monkey では、従来の子テーマによるカスタマイズよりも、プラグインからのカスタマイズ(My Snow Monkey など)を推奨しています。

ですので、子テーマからテンプレートを簡単に上書きしていたカスタマイズよりも、若干ハードルを感じなくもないフックというものを活用したPHPを使ったカスタマイズ方法を多く取ることがあります。

しかし、前述しているように Snow Monkey はかなり WordPress 自体の思想を大切にしているため、WordPress 自体の機能を損なった実装というのは(僕の知る限り)行われていません。

ですので、インターネット上にあるたくさんの WordPress に関するカスタマイズ情報も多く活用することができるのです。言い換えると、調べたらだいたいなんとかなります。

そして、フックはアクションフックとフィルターフックとあるんですが、アクションフックは簡単です。任意の場所に何かしらを出力するという構造なので、その「何かしら」を自分で作るということになります。

フィルターフックは、予めある値などを引っ張ってきて(引数ってやつ)、それを書き換えたり加えたりするような処理を行うのですが、流れとしては、

  1. 引数の状態を確認する
  2. 再現する状況で条件分岐する( is_single とか)
  3. 書き換えたり置き換えたり( str_preg とか)加えたりする

という感じです。ですので、何度か試してみると理解が深まると思います。(こういった部分を試してみたりするワークショップとかやってみてもよさそうですね)

このように、フックを活用したカスタマイズが Snow Monkey カスタマイズのかなり大きな特徴となりますので、ぜひ挑戦していただいて、色々と試してみてください。

おすすめの学習方法としては、特定のフィルターフック(例えば snow_monkey_template_part_render_ )で Snow Monkey サポートフォーラムで検索してみてください。

すると、そのフィルターフックが掲載されているトピックを見つけることができます。そして、そのカスタマイズをかたっぱしから試してみるというのが一番良いです。

Snow Monkey とその他利用プロダクトの情報にアンテナを

この記事の内容を気にしてくださった多くの方が、お客さんを相手に対価をいただき Web 制作をされている方が多いかと思います。そして、その後に作って終わりではなく継続的なメンテナンスを請け負うこともあるのではないでしょうか。

Snow Monkey はご存知の通り、とてもアップデート頻度が高いプロダクトです。下の GitHub リポジトリのタグをつけられている頻度の高さでもわかると思います。

2021年12月2日午前現在

さまざまな粒度の変更がコンスタントに行われており、たまに構造的な変化(破壊的変更と言うこともある)を伴うアップデートもあります。

メンテナンスを請け負っている場合、アップデートにも対応する業務委託内容となっていることもあります。その場合、アップデートを行ってしまって不具合が起きた!なんてことは絶対に避けたい事案でしょう。

また、メンテナンスを請け負っていなくても、以前に制作したサイトがお客様自身でアップデートを行い、変更に伴う表示の不具合などが発生することはなくはありません。

そういったことが起きてからでも、自身で調べて対応することができるので良いと言えば良いのかもしれませんが、安心して業務を任せていただける存在になるためには、やはり事前にアップデート内容を把握した上で「今回のアップデートは注意してください」とお伝えしたり、しっかりとテストした上でアップデート作業を代行するといった対応を行うことも良いでしょう。

「日々のアップデートで便利に進化する」ということは「小さな変更が毎回行われる」ということでもありますので、それが要因となり不具合が発生することもあります。

そういった認識を持った上で、日々 Snow Monkey や利用しているプロダクト(プラグインなど)の情報にアンテナを張っておくことをお勧めします。

こういう観点から考えると、複数のテーマを使いこなしてコミュニティにもコミットしている方々を見ると「すごいなぁ‥」と思うところです。。

Webサイトの運営に関する知識

前述してきている通り、ウェブサイトを作るという部分では、ほとんど Snow Monkey でなんとかなってしまします。そして、カスタマイズに関しても先人の知恵を活用することで、大体のことは実現することができるでしょう。

となると、他の制作者の皆さんと横並びになってしまいがちなんですよね。差別化が必要ということは、想像しやすいかと思います。

ですので、「作る」だけではなく「作った後」のこともフォローできる知識とスキルを得ておくというのも大切だと思います。

キーワードとしては、

  • 情報設計
  • アクセス解析&リポート
  • UX
  • ライティング
  • 写真撮影
  • デザインスキル

というものも挙げられるでしょうし、他にもたくさんあると思います。

仕事として Web 制作を行う上では「Snow Monkey でウェブサイトを作る」、そして「Snow Monkey をカスタマイズできる」というのは、それほど希少価値が高いわけではありません。もう一般的なスキルでしょう。

そこに付加価値をつけていくフェーズに入ってきていると感じることがあります。ぜひ興味の湧くポイントを調べてみてはいかがでしょうか。

まとめ

Snow Monkey でウェブサイトを作る方々が増えてきているここ数年ですが、まだまだ基本的な部分の学習や情報収集は日々必要だと実感します。

その上で、個人的には Snow Monkey に任せておける部分のリソースを、付加価値をつけるためのリソースに変換するという考え方が大事なのかなと思う一年でした。

来年も皆さんと一緒に WordPress や Snow Monkey を楽しんでいければ嬉しいです。よろしくお願いします。

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